金型の腐食処理 その他
概要
金型の表面に腐食(錆)が生じてしまうと、ピンホールによって離型性が悪くなり、擦れが多発し、成形品の不良につながってしまいます。またガス腐食の場合は、成形品の色が変化してしまい、いずれにしても不良品につながってしまいます。
金型に腐食が生じてしまった場合は、磨きや溶接にて修理する必要があります。しかし時間的にも費用的にもコストがかかってしまうため、金型に腐食を生じさせない予防策が重要となります。
注意すべきトラブルとその前兆
- 製品表面にザラつきが出る
- ガス腐食の場合は成形品の色が変化してしまっている
特に製品面にシボ加工が施されてる場合は、目で見てもわからないようなサビやピンホールが発生してしまう可能性もございます。シボ面に腐食が生じるのは意外と思われる方も多いかと思いますが、製品シボ面のザラつきは、金型に腐食が起きている可能性が高く、前兆としてわかりやすい現象です。
またガス腐食の場合は、成形品の色が変化してしまっているため、金型に何かしらのトラブルが起きていると、わかりやすく判断することができます。
トラブルが与える影響
- 表面に腐食が浮いてきてしまう
- 離型性が悪くなる
- 擦れが発生してしまう
- 不良品が多発してしまうため、ラインを止める必要がある
金型に腐食が生じてしまうと、表面に腐食(錆)が浮いてきてしまい、これが直接不良品につながってしまいます。
また、金型に腐食が生じてしまうと、ピンホールの影響で金型からの離型性が悪化してしまいます。そのため、無理に成形品を離型しようとすると、擦れの発生にもつながってしまいます。
さらにガス腐食の場合は、成形品の色が変化してしまうため、いずれにしても不良品の多発につながってしまい、生産ラインを止めなければいけません。
トラブルの対処法
- 基本は磨き修理、寸法公差が厳しい場合は溶接修理
- 製品部への防錆剤の塗布
- こまめな金型清掃
- 湿気の多い時期は除湿機の活用
- 成形終了時に冷却水を除去
金型の腐食は、基本は磨き修理にて対応いたします。ただし寸法公差が厳しい場合は、磨き後に復元のための溶接修理を行う必要があります。
このように、金型に腐食が生じてしまうと、金型に磨きや溶接、切削等の手を入れる必要があり、どうしても工期と金額が掛かってしまいます。また寸法公差の厳しい製品では、腐食修理のために磨き処理を行ってしまうと、寸法公差から外れてしまう場合もあります。そのため、射出成形金型に腐食が生じないようにするという、腐食への予防策が重要となります。
まず、金型の製品部には防錆剤の塗布することで、概ねの腐食対策が完結します。また日常的には、こまめに金型表面の清掃をしてガスヤニ除去することで、ガス腐食も予防することができます。
ただし、特に湿気が多い時期は、除湿機等で対処する必要があります。また、成形終了時には冷却水の除去もする必要があります。金型は水に弱いため、放置してしまうと製品部に結露が発生してしまいます。
金型の腐食修理・サビ修理事例も数多くございますので、詳細はこちらをご覧ください。
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