スライドコア摺動部のカジリ その他
概要
スライドコアは、射出成形金型の開閉に伴って、内部でスライドする金型部品です。
特に長い期間成形を続けている場合、スライドコアのグリス切れにより摩擦力が増してしまうと、かじりが発生してしまうケースが多々見受けられます。
また、スライドコアの摺動部において、スライドコアとの硬度差がない場合にもかじりが発生してしまいます。
スライドコアにかじりがある状態で射出成形を繰り返すと、鉄粉が製品についてしまったり、最悪の場合は生産が止まってしまう恐れがあります。その際は、かじり部分の削りや溶接による修理、グリスアップ、また水管の清掃をする必要があります。
注意すべきトラブルとその前兆
- 鉄粉が発生している
- 金型を動かした際に異音がする
- 金型の動きが鈍くなる
金型を動かすと鉄粉が発生したり、金型の摺動部から異音が発生し、動きがやや鈍くなっている場合は、射出成形金型のスライドコアにかじり等の問題がある可能性があります。
トラブルが与える影響
- カジリ初めの場合は、製品に鉄粉が付着し不良品発生
- 金型が動かなくなる
- 成形ラインがストップし、量産中止になる
スライドコアの摺動部にかじりが発生した初期段階では、かじり箇所から発生した鉄粉が製品に付着してしまい、不良品が多発してしまいます。また、その後も続けてかじりが生じたスライドコアを使用し続けていると、突然金型が動かなくなったり、最悪のケースはライン停止による量産中断の可能性もございます。
トラブルの対処法
- かじり部分を溶接による修復
- 周期的なスライド部のメンテナンス(古いグリスを拭き取り、新しいグリスアップ)
- 水管の清掃
スライドコアの摺動部にかじりが発生した場合は、基本的にかじり部分の溶接修理が必要となります。
また、金型のスライド部に関しては、周期的なメンテナンスを行うことで未然にかじりを防止することができます。具体的には、古いグリスを拭き取り、新しいグリスでグリスアップすることで、摺動部でのグリス切れを防止することができます。
さらに、水管の清掃をすることも、スライドコアでのかじりの防止につながります。これは、スライドコアに熱が籠ってしまい、熱膨張によるかじり発生の可能性もあるためです。そのため、冷却水の流れを良くするために、水管を清掃することもスライドコアのかじり防止につながります。