成形品への金型の油汚れ付着 その他
概要
成形品に金型の油汚れが付着する際の前兆としては、金型温度の上昇があげられます。水管が詰まって金型温度が上昇すると、グリスも高温となり液状になります。すると、隙間からグリスが染み出てしまい、製品部まで到達してしまいます。これが金型の油汚れが製品に付着してしまう原因です。
成形品に油汚れが付着するのを未然に防ぐには、イエプコ処理のような特殊加工を該当箇所に施す、必要以上にグリスを塗布しない、という大きく2つのポイントがございます。
注意すべきトラブルとその前兆
- 水管の詰まりによる金型温度の上昇
- グリスが液状になる
- 金型の隙間からグリスが染み出てしまう
成形品に金型の油汚れが付着する際の前兆としては、金型温度の上昇があげられます。主に水管の詰まりが金型温度の上昇要因となるため、成形品に油汚れが付着した際は、水管の詰まりも確認する必要があります。
水管が詰まって金型温度が上昇すると、グリスも高温となり液状になります。すると、隙間からグリスが染み出てしまい、製品部まで到達してしまいます。これが金型の油汚れが製品に付着してしまう原因です。
トラブルが与える影響
- 射出成形の後工程に汚れ落とし作業が増える
- 油汚れによる不良品が発生し、廃棄品が増加
- 射出成形金型のメンテナンスによる量産停止
成形品に油汚れが付着してしまうと、射出成形工程の後に製品の汚れを落とす工程が増えてしまいます。もちろん汚れが取れていない製品は不良品となってしまうため、廃棄品が増加してしまいます。
こうなった場合は、金型のメンテナンスを行う必要があります。しかし金型のメンテナンスを行うと、どうしても量産ラインを停止させなければいけなくなってしまいます。
そのため、なるべく早い段階で金型温度の上昇を感知し、製品に油汚れが付着することを防ぐ必要があります。
トラブルの対処法
- 射出成形金型の分解清掃(オーバーホール)
- グリスを塗らずに滑りを良くする特殊加工を施す(イエプコ処理など)
- 摺動面に必要以上にグリスを塗布しないようにする
成形品に油汚れが付着してしまった場合は、もちろん射出成形金型をオーバーホールして、分解清掃する必要があります。
トラブルを未然に防ぐには、大きく2つの方法があります。1つ目は、油汚れの元となるエジェクターピンや穴に対して、グリスを塗らずに滑りを良くするような特殊加工を施す方法です。これはイエプコ処理とも言われますが、当社でもイエプコ処理に対応しております。
2つ目は、摺動面に必要以上にグリスを塗布しないことです。どうしても潤滑性を良くしようと思い、摺動面に過剰なグリス塗布をしているケースが見られます。そのため、摺動面には適切な量でグリスを塗布する必要があります。
適切なグリス塗布量やイエプコ処理にお悩みの方は、プラスチック金型メンテセンター.comまでお問い合わせください。