
金型の事後保全
概要
事後保全は「壊れたら直す」という最もシンプルな保全方式です。突発的に発生するため計画が立てづらく、緊急対応費やダウンタイムが膨らみやすい点が最大の弱点です。JIS Z 8115 では 通常事後保全(軽微故障)と 緊急事後保全(ライン停止を伴う重大故障)に区分されます。

注意すべきトラブルとその前兆
- バリ発生・寸法ばらつきの増大
- 冷却回路の詰まりによる冷却不足
- 型開閉時の異音・偏荷重
バリ・フラッシュなど外観不良や、サイクルタイムの突然の伸びは「軽症」に見えても内部損耗が進行しているサインです。前兆を見逃すと、ガイドピンやキャビ・コアの破損に発展し、緊急事後保全へ直結します。
トラブルが与える影響
- ライン停止による納期遅延・外注費増
- 緊急手配部品の高コスト化
- 品質クレーム対応コスト
生産計画外のライン停止は、受注遅延だけでなく外注加工費や特急輸送費などの “隠れコスト” を誘発します。さらに不良流出による顧客クレームが重なると、追加検査コストまで波及するおそれがあります。
トラブルの対処法
事後保全は “起きてしまったこと” に迅速かつ確実に手を打つことが肝要です。部品交換のみで済む場合は代替部品の緊急在庫を持っておくこと、修理が必要な場合はプラスチック金型メンテセンターまでご相談ください。原因究明から修理対応まで速やかに対応させていただきます。
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また、プラスチック金型メンテセンターは金型保全に対する情報をまとめた射出成形金型保全ガイドブックを公開しております。射出成形金型の保全について詳しく知りたい場合は下記より資料をダウンロードください。
>>金型の予防保全
