ここでは、射出成形金型の修理やメンテナンスに関する基礎知識をご紹介いたします。下記写真をクリックいただくと、各基礎知識の詳細ページをご覧いただけます。
立ち上げ
金型が分割される面のことを、PL(パーティングライン)面と言います。立ち上げ段階では、このPL面に防錆剤が残存している場合があります。そのため、金型の合わせ面であるPL面の掃除は必須作業となります。
立ち上げ
グリスアップとは、古いグリス(半固体潤滑剤)を拭き取って新しいグリスを塗りなおす作業のことを意味します。 製品部はフッ素グリス、摺動部はモリブデングリスが使用されるのが一般的です。グリスをしっかりと塗ることで、金型の摩耗抑制や摺動部の動きを滑らかにします。
立ち上げ
稼働前には、金型の冷却回路に接続した水ホースから水漏れが発生していないかどうかを確認する必要があります。
立ち上げ
実際に稼働する前に、できる範囲で金型を手動で開閉したり、スライドさせる点検作業が必要です。機械で動作してからでは、異変にはなかなか気づかないものです。まずは手で動かすことで、異変を感知するようにします。
稼働中
稼働中には、まず金型の動作音を常に確認する必要があります。「ギギギ…」という音が鳴っている場合は、様々なトラブルが発生して、射出成形ラインにおいて大きな影響を及ぼします。金型稼働中は、いつもと違う音がしていないか、耳を傾ける必要があります。
稼働中
金型稼働中は、金型の温度を確認する必要があります。設定温度の許容範囲外になっていたり、一部だけ異常に温度が高い場合は、冷却水回路におけるトラブルが発生している可能性が高いです。
稼働中
稼働中に確認する項目としては、グリスの切れ具合もあげられます。万が一グリスが稼働中に切れてしまうと、金型がロックしたり、金型部品の破損が発生してしまい、射出成形が不可能となってしまいます。
終了時
ガスヤニとは、射出成形のロットが終わった瞬間に、固まった茶色い異物が金型に付着している状態のことです。このガスヤニによって、ガスが逃げ場につまり、製品のショートショットやバリ発生の原因になります。
終了時
金型の稼働が終了して、常温に戻ったら、防錆対策として必ず錆止めスプレーを塗布する必要があります。 特に季節商品の場合は、一度使用しなくなると長期停止になるため、丁寧かつ厚めにスプレーを金型に塗布し、防錆対策を行う必要があります。
終了時
水抜きとは、カプラーを外して水回路から水を抜く作業のことです。1回路ずつ行わなければ、どこに水が残留しているかを確認することができないため、丁寧に行う必要があります。また、油を循環させて錆びないようにさせる場合もあります。
その他
金型点検の際に必須となる作業が、オーバーホールです。金型を部品単位まで分解してから、各部品の摩耗やかじり、錆の状態を確認してから、清掃・研磨などを行い、再度組立を行うことで、金型のライフサイクルを長くすることができます。
その他
金型の入れ子部品やベースを締め付ける際に用いられるのが、キャップボルトです。しかしこのキャップボルトは、金型の使用回数が増加するに伴い、ボルト自体が伸びてしまったり、ネジ山がすり減ってしまう摩耗が起きてしまうため、定期的に金型のオーバーホールを行い、キャップボルトの交換をする必要があります。
その他
金型部品として使用されるゴム製のOリングは、何度も金型を使用することでOリングがつぶれたり切れてしまうことがあります。成型中に製品に水跡がついてしまうようであれば、それはOリング交換のサインかもしれません。その際は、金型のオーバーホールを行ってOリングを交換する、さらにシリコンを塗って2重の対策をする必要があります。
その他
金型のスライドコアの戻り、
その他
金型が開くタイミングを制御するために使用される樹脂スリーブ型のパーティングロックは、樹脂部分が摺動部となります。そのため、金型を何度も使用することで、樹脂部分がすり減ってしまい、金型の開き制御が効かなくなってしまいます。そのため、定期的に金型のオーバーホールを行い、パーティングロックの交換をすることが必要です。
その他
スプルーブシュとは、射出成形においてノズル部分から溶解プラスチックが移送される経路において、射出成形金型にはめ込んで使用する円筒形状の金型部品です。 スプルーブシュの周辺でよくある修理・メンテナンス事例としては、ノズルタッチ部のセンターがずれたまま成形を繰り返すことでノズルタッチ部が変形してしまい、樹脂漏れが発生してしまうことが挙げられます。
その他
冷却水用の継手部分は、普段はあまり修理メンテナンスの対象とはならない箇所です。しかし、金型を移動または分解、組立をする際に、ホース部分が引っかかって破損してしまうケースがございます。そのため、普段から金型を取り扱う際には、細心の注意を払う必要があります。 写真のうち、左側が破損した継手、右側が交換後の継手です。左側の破損した継手では、真鍮製のカプラー部分とゴムの部分に隙間が生じています。ここから水漏れが発生してしまい、漏電やサビ、火傷といったトラブルが発生してしまいます。
その他
ストリッパープレートは、製品突出し時に作動する、射出成形金型においては非常に重要な金型部品です。しかし、重要な金型部品であるがために、かじりを起こしてしまうケースも多々見受けられます。 特にストリッパープレートの中央にある穴が開いた部分は、他の部品との合わせ部分になるため、製品突出し時に頻繁にかじりが起きてしまう箇所となります。 ストリッパープレートにかじりがある状態で射出成形を繰り返すと、鉄粉が製品についてしまったり、最悪の場合は生産が止まってしまう恐れがあります。その際は、かじり部分の削りや溶接による修理をする必要があります。
その他
スライドコアは、射出成形金型の開閉に伴って、内部でスライドする金型部品です。 特に長い期間成形を続けている場合、スライドコアのグリス切れにより摩擦力が増してしまうと、かじりが発生してしまうケースが多々見受けられます。 また、スライドコアの摺動部において、スライドコアとの硬度差がない場合にもかじりが発生してしまいます。 スライドコアにかじりがある状態で射出成形を繰り返すと、鉄粉が製品についてしまったり、最悪の場合は生産が止まってしまう恐れがあります。その際は、かじり部分の削りや溶接による修理、グリスアップ、また水管の清掃をする必要があります。
その他
射出成形において、金型の冷却は非常に重要な要素となります。しかし、水管内に錆が発生したり、水に含まれる不純物が堆積してしまうと、冷却水の通り道が狭くなり、冷却効率が悪化してしまいます。 冷却効果が悪化したまま射出成形を続けると、成形品の不良や金型のかじりなど、様々なトラブルにつながってしまいます。 そのためプラスチック金型メンテセンター.comでは、定期的な水管メンテナンスをお客様に推奨しております。
その他
ホットランナーシステムは、熱可塑性のプラスチック射出成形において、樹脂を成形品まで流すために必要な道であるスプルーやランナーにおいても溶融した状態で保つシステムのことです。ホットランナーは、近年の環境問題において、無駄な廃棄ランナーを生まないという点から、非常に注目が集まっています。 そんなホットランナーでよくあるトラブルが、樹脂漏れです。なかなか気付きにくく、修理・メンテナンスには金型メーカーもしくはホットランナ-の専門業者が必要となります。 ウェルドラインが発生したり、成形中に金型から煙が発生した際は、ホットランナ-の樹脂漏れを疑い、まずはプラスチック金型メンテセンター.comまでお問い合わせください。
その他
「ホットランナーで製造する製品の色を替える際に、取り換えた後の色になるまでのショット数が多くなってしまい、時間もコストもかかっていて困っている」というお客様のご相談を、当社ではよくいただきます。
成型機やシリンダー内の清掃をする際に、色抜き材(パージ剤)を用いて直接色抜き洗浄することが一般的ですが、ホットランナーの場合はショットを繰り返して徐々に色が抜けるようにさせなければいけません。しかしこの方法だと、色が抜けるのに100ショット以上もかかってしまう場合がございます。
そこでプラスチック金型メンテセンター.comでは、樹脂に添加物を混合させることで、より少ないショット数でホットランナーの色抜けができるかを実験いたしました。
その他
成形品に金型の油汚れが付着する際の前兆としては、金型温度の上昇があげられます。水管が詰まって金型温度が上昇すると、グリスも高温となり液状になります。すると、隙間からグリスが染み出てしまい、製品部まで到達してしまいます。これが金型の油汚れが製品に付着してしまう原因です。 成形品に油汚れが付着するのを未然に防ぐには、イエプコ処理のような特殊加工を該当箇所に施す、必要以上にグリスを塗布しない、という大きく2つのポイントがございます。
その他
当社では、ごみ箱やコンテナ形状といった箱物の射出成形用金型の設計・製造実績が多数ございます。同時に、他社製の射出成形金型の修理・メンテナンスや改造に関するご依頼も多数いただいております。
箱物のような深さのある形状の場合、製品の肉厚に違い(偏肉)が発生してしまい、不良品が多発してしまうケースが多く見受けられます。これは、射出成形金型の精度や構造、強度が主な原因となります。
プラスチック金型メンテセンター.comでは、他社製の箱物形状の射出成形金型に関する修理メンテにも対応しております。
稼働中
エジェクタープレートの戻りが悪いまま金型を使用し続けてしまうと、金型の破損やライン停止などの大きなトラブルにつながってしまう恐れがあります。そのため、金型の部分的な分解によるメンテナンスや、グリスアップ、またはプレートの戻り確認のためのリミットスイッチの設置をして、エジェクタープレートの戻り不良の確認やトラブルの未然防止をしていく必要があります。
稼働中
プラスチック成形品にタッピング穴を開けるために使用するのがコアピンです。入れ子ピンとも呼ばれるコアピンですが、多くご相談いただくのがコアピンの破損です。コアピンの破損は生産停止につながる大きなトラブルのため、早急に金型メーカーに分解・修理の依頼をする必要があります。
その他
数十年前に製作した金型の場合、「ずっと使い続けていたけど図面がない、でも修理してほしい」というご相談が多くなります。しかし図面がない金型の場合は、どうしても測定からスタートしなければいけず、設備や工数の観点から、対応可能な金型メーカーが圧倒的に少なくなってしまいます。 当社では、図面のない他社製金型であっても、3次元測定器によるCADデータ化・図面化に対応しております。既存金型メーカーが倒産・廃業してしまったり、図面のない金型の修理をしたいとお困りの方は、プラスチック金型メンテセンター.comまでご相談ください。
その他
金型の表面に腐食(錆)が生じてしまうと、ピンホールによって離型性が悪くなり、擦れが多発し、成形品の不良につながってしまいます。またガス腐食の場合は、成形品の色が変化してしまい、いずれにしても不良品につながってしまいます。 金型に腐食が生じてしまった場合は、磨きや溶接にて修理する必要があります。しかし時間的にも費用的にもコストがかかってしまうため、金型に腐食を生じさせない予防策が重要となります。
その他
金型表面にシボと呼ばれる凹凸を付けることで、プラスチック製品に上質感を出すことができます。シボには、皮革(ウロコ)、梨地、幾何学模様等の種類があります。これらのシボ表面は、共通して非常に敏感です。そのため射出成形金型へのシボ加工においては、細かな注意点が多く存在します。
その他
バリとは、金型の成品部分からはみ出した余分な樹脂のことを指します。プラスチック部品の成形時に発生するもので、金型の合わせ面の隙間から樹脂があふれることによって生じます。
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