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金型におけるバリとは?発生原因から対策、バリ修理事例をご紹介!

射出成形の生産現場において、「バリ」は最も頻繁に発生する成形不良のひとつです。

本記事では、金型のバリとは何か、発生する原因や発生しやすい箇所、具体的な対策・修理方法まで、現場担当者や設計者の方にも役立つ情報をわかりやすく解説します。

金型のバリとは?発生原因から対策、バリ修理事例をご紹介!

金型におけるバリとは?

バリとは、金型の製品部分からはみ出した余分な樹脂のことを指します。プラスチック部品の成形時に発生するもので、金型の合わせ面の隙間から樹脂があふれることによって生じます。

バリの発生が与える影響

射出成形において、バリが発生した場合は大きく下記3点の影響が生じます。

❶怪我の発生
プラスチック成形金型での収納ボックスやゴミ箱などの一般的に使用される製品の場合は、ユーザーの怪我に繋がる場合があります。ユーザーが直接触れる製品にバリが残っていると、切り傷などのケガを引き起こすリスクもあり、製造物責任上の問題にも発展しかねません。また、配管継手や壁の内部に埋め込むコンセントの土台であるスイッチボックスなど、直接消費者にかかわらない工業の部品であっても、施工業者が設置する際の怪我に繋がる場合もあります。

❷外観不良
バリが発生してしまうと、成形品の外観に意図しない突起や薄い膜状の樹脂が現れ、外観不良となります。外観品質を重視する製品では、バリの存在だけで出荷基準を満たせなくなり、不良品の発生につながります。

❸バリ取りの手間
上記の製品によるケガの発生、外観不良の対策として、後工程での「バリ取り」が不可欠です 。しかし、この除去作業は多くが人の手作業となるため、膨大な作業工数がかかり、直接的なコスト増加へと繋がります 。さらに、無理なバリ取りは製品を傷つけ、仕上がり精度のばらつきを生む原因にもなります 。

バリが発生しやすい金型部位

バリが発生しやすい箇所は、基本的に「樹脂が漏れやすい隙間が存在する部位」です。金型の構造や使用条件によって異なりますが、代表的な発生箇所を以下に解説します。

金型でバリが発生しやすい箇所

PL面は、金型の主要な合わせ面であり、バリが最も発生しやすい箇所のひとつです。射出時の高圧や充填圧力の偏りにより、ごくわずかな隙間でも樹脂が漏れ出すことがあります。特に薄肉部位や過剰充填が起きる部位で発生しやすく、金型の老朽化による摩耗が進むと隙間が広がり、バリが顕在化します。

入れ子・スライド入れ子の合わせ面も発生しやすい箇所です。複雑な形状を成形するための入れ子構造は、部品間にわずかな隙間が生じやすく、摩耗や経年劣化によってその隙間が拡大するとバリが発生します。特にスライド入れ子は摺動するためPL面よりも消耗が速く、累積ショット数とともにバリのリスクが高まります。

ゲート・ランナーまわりも注意が必要な箇所です。ゲートは溶融樹脂の流入口であり、充填から保圧工程にかけて高圧力がかかるため、バリが発生しやすくなります。型開き動作に連動してゲートが切り離される際、ランナー側で切り離されると「ゲートバリ」が発生します。

エジェクタピンまわりでは、成形品を押し出すピンと金型穴の接触部分周辺にバリが生じることがあります。使用によってリーマ穴が拡大したりクリアランスが増加したりすると、そこから樹脂が漏れ出してバリが発生します。

金型のバリが発生する主な原因

バリの発生原因は、大きく「金型に起因するもの」「成形条件に起因するもの」「材料・製品形状に起因するもの」の3つに分類できます。ここでは「金型」と「成形条件」に起因するものを解説します。実際の現場では、これらの要因が複合的に絡み合ってバリが発生することも多く、原因を正確に特定したうえで適切な対策を講じることが重要です。

❶金型に起因する原因

バリの根本的な原因の多くは金型側に起因しており、その要因はさまざまです。

PL面の設計ミスや金型の摩耗による隙間の発生
パーティングライン(PL面)は金型の主要な合わせ面であり、この面の精度が低い場合や、設計段階でのミスによって合わせ精度が不十分な場合、射出時の高圧に耐えられず隙間が生じてバリが発生します。また、長期使用による摩耗・消耗も同様の問題を引き起こします。金型は数万〜数百万ショットという膨大な回数の使用に耐えながら稼働しますが、繰り返しの成形サイクルによってPL面や入れ子部のエッジが少しずつ摩耗し、隙間が広がることでバリが発生しやすくなります。

ガスベントの不備
射出成形では、金型内に樹脂を充填する際に金型内の空気を逃がす必要があります。ガスベントが不十分だと金型内の圧力が上昇し、隙間からバリが発生しやすくなります。ガスベントの深さが必要以上に深い場合も、樹脂がガスベントに入り込んでバリが発生する原因となります。

❷成形条件に起因する原因

金型に問題がない場合でも、成形条件の設定ミスや管理不足によってバリが発生することがあります。

樹脂の過充填・射出圧力
最も代表的なのが樹脂の過充填です。金型内に充填する樹脂量が多すぎると、余剰な樹脂が金型の隙間に押し出されてバリになります。同様に、射出圧力が高すぎる場合も、金型の合わせ面に過大な力が加わり、わずかな隙間からでも樹脂が漏れ出してバリが発生します。射出圧力と充填量は、成形品の形状や樹脂特性に合わせて精密に設定・管理することが求められます。

樹脂温度の高さ
樹脂温度が高い場合もバリ発生の要因となります。樹脂温度が高くなると溶融樹脂の粘度が低下し、流動性が高まります。粘度が低い樹脂はわずかな隙間にも流れ込みやすくなるため、通常では問題にならないようなクリアランスからもバリが発生しやすくなります。原料ロットが切り替わった際も、同じ成形条件でも樹脂の流れ方が変化することがあるため、注意が必要です。

保圧の過多
保圧の過多もバリの発生原因となります。保圧とは、充填完了後に樹脂の収縮を補うために金型内に圧力をかけ続ける工程です。保圧が過剰になると、必要以上に樹脂が金型内へ押し込まれるため、合わせ面から樹脂が漏れ出しやすくなります。保圧力と保圧時間は、ヒケやボイドの防止と、バリ防止のバランスを取りながら適正値に設定することが重要です。

型締力の不足
型締力もバリの主要な原因のひとつです。型締力とは、射出成形時に金型を閉じた状態に保つための力のことです。型締力が不足していると、射出時の樹脂圧力に負けて金型の合わせ面がわずかに開き、そこから樹脂が漏れ出してバリが発生します。型締力は成形品とランナーの投影面積に対して適切な値を設定する必要があり、設定が不十分な場合はバリの恒常的な発生原因となります。

バリの発生を防ぐには?

金型のバリを防止するためには、金型・成形条件の観点から複合的な対策を講じることが重要です。ここでは金型におけるバリ対策として、発生を防ぐ事前の対策と、バリが発生してしまった場合の修理方法の2点を解説いたします。

バリを発生させない金型のバリ対策

定期的な金型メンテナンス
バリ対策の根本として最も重要なのが、金型そのものの状態を良好に保つことです。金型の摩耗や精度低下が直接バリの発生につながるため、適切なメンテナンスと早期の補修が欠かせません。具体的には定期的にエアベントが詰まらないようにガスを拭く等の定期的なメンテナンスが必要です。

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バリが発生してしまった場合の金型のバリ修理

バリが発生してしまった場合は、金型の修理が必要となるため、プラスチック金型メーカーや修理業者にオーバーホールから依頼しなければいけません。 ここでは一般的なバリ修理の流れを解説いたします。

・一般的なバリ修理の流れ

❶金型の分解
金型を一度パーツ単位までバラし、どこに摩耗や隙間、潰れが生じているかを正確に確認します。

❷肉盛り溶接
PL面や入れ子に深い摩耗がある場合は肉盛り溶接を行います。この際、金型母材と溶接材の「硬度差」があると、後の不具合や製品面のシボ加工の乱れに繋がるため、母材に合わせた最適な溶接材を選定します。さらに、熱による金型の変形やヒケを防ぐため、当社では以下の設備を柔軟に使い分けています。

通常のTIG溶接機: 盛る肉量が多い広範囲な肉盛り補修に採用。

YAGレーザー溶接機: 入熱を最小限に抑えたい精密な箇所や、溶接後の「手仕上げ」をスムーズに行いたい場合に採用。

超高精度肉盛TIG溶接機: TIGとYAGの中間の特性を持ち、バランスの取れた精密肉盛りに使用。

さらに、ガス腐食が起きている箇所には、ステンレスなどの防錆性能に優れた材料を母材として肉盛りし、今後の耐久性を飛躍的に高めます。

❸磨き
溶接した余分な部分を削り落とし、マシニング加工・手作業での磨きによって元の精密な形状へと復元します。PL面であれば、マシニング加工で復元し、製品面側ではみ出した溶接は手で磨きを行い、仕上げを行います。

❹組立・型合わせ
組み立て時には、バリが出ている箇所の面が完璧に密着するよう、肉盛り溶接を施した側の面を細かく調整します。また、金型を全分解しているため、当社では部品が老朽化している場合は古くなっているOリング等の消耗部品も併せて交換します。組み立て後は、初期不良を完全が起こらないよう、確実に「水漏れ検査」まで実施しています。

❺試作
修理完了後は、社内設備にてテストショットを実施しています。バリが完全に止まっているかを実型で確認し、徹底した品質保証のうえで納品いたします。

※ダメージがひどい場合:入れ子・スライド入れ子の交換
入れ子や摺動部の摩耗・損傷が激しく補修限界を超えている場合、あるいは溶接補修よりも新規製作の方がコストパフォーマンスが高い場合は、該当する入れ子パーツのみの新調・交換をご提案します。当センターでは図面がない金型であっても、現物を測定しての図面化(リバースエンジニアリング)による入れ子交換・スライド新調が可能です。

当社の修理事例をご紹介!

❶医療用ごみ箱向け射出成形金型のバリ修理&ガス付着除去

こちらは、海外で製作された自動車の射出成形金型(他社製の金型)のバリ修理の依頼でした。金型中央部にある傾斜ブロック上面がキャビとの突当て構造でしたが、この傾斜ブロックの調整がうまく行ってなかったのがバリ発生の原因でした。
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❷自動車部品用金型のバリ修理

こちらは、医療機関で使用するごみ箱の蓋用の射出成型金型の、バリ修理事例です。

お客様からは、PL面にバリが発生してしまい、現場にてバリ処理作業をしていたが、バリも大きくなり処理作業も困難になったとのことで、ご相談をいただきました。
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バリ修理事例を動画でご紹介!

金型のバリ修理は三愛テクノロジーにお任せください!

当社では射出成形金型の設計・製作で培ったノウハウを活かして、
射出成形金型の修理・改造、メンテナンスも事業として展開しています。

❶レーザー溶接機などを駆使した「高精度な肉盛補修・形状復元」

成形不良の原因となるバリやカジリ、水漏れなどのトラブルに対して、微細な補修から形状復元まで対応します。自社内にYAGレーザー溶接機(YW-150)や超高精度肉盛TIG溶接機などの設備を完備しており、金型への熱影響を最小限に抑えた高品質な溶接が可能です。部品単位の修理はもちろん、水管の詰まりを除去する洗浄(ウォーターリーマー使用)やオーバーホールにより、成形不良を根本から改善します。

❷「緊急出張対応」と修理から修理後トライ、メンテナンスまで一貫対応

生産ラインをどうしても止められない緊急時には、技術者がお客様の現場へ赴き、その場で清掃や調整を行う「出張修理」にも対応が可能です。緊急での金型修理を依頼いただいた場合はもちろん、技術相談・お見積りなども最短即日対応が可能で、レスポンスの速さも当社の強みです。修理した金型が本当に直っているか、お客様の不安を払拭するため、納品前には当社の国内自社工場にて徹底したテストショットと最終調整を実施します。これにより、お客様の現場での立ち上げをスムーズにし、手戻りを防ぎます。

❸バリ修理+部品交換のサービス、品質保証

当社では、単にバリの出た箇所を部分補修するだけでなく、金型を全分解する好機を活かし、経年劣化したOリングやバネ、エジェクターピンなどの周辺部品も併せて同時に交換いたします。
溶接補修においては、母材との硬度差を出さない適切な溶接材の選定や、ガス腐食が激しい箇所へのステンレス系材料による肉盛りなど、再発を防ぎ耐久性を高める修理を実施いたします。組立時には、溶接側の面を精密に型合わせし、水漏れ検査を経てから最終的な実型試作(テストショット)を行い、品質保証も徹底しております。

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まとめ

この記事で理解できる7つのポイント

☑ バリとは金型の合わせ面の隙間から樹脂が漏れ出て発生する成形不良であり、使用者の怪我のリスクや外観不良、手作業による2次加工コストの増加を招く。
☑ 発生原因はPL面の摩耗や設計ミス、ガスベントの不備といった金型側の要因から、樹脂の過充填や型締力不足などの成形条件まで多岐にわたる。
☑ 通常のバリ修理は金型の分解後、母材に合わせた適切な肉盛り溶接、形状復元の磨き、消耗部品の交換や水漏れ検査、実型での試作を経て完了する。
☑ 三愛テクノロジーでは内にYAGレーザー溶接機や超高精度肉盛TIG溶接機、水管洗浄機を完備し、熱影響を最小限に抑えた高品質な肉盛補修・形状復元を提供する。
☑ 三愛テクノロジーでは現場への緊急出張修理から、全分解に合わせた周辺部品の同時交換、自社工場での徹底したテストショット・最終調整まで、手戻りを防ぐ一貫体制で品質保証が可能。


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