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金型のかじりとは?かじりの原因・種類・対策・修理方法をわかりやすく解説!

金型の生産現場において、「かじり」は決して珍しいトラブルではありません。かじりが進行すると、成形部品の品質低下や、最悪の場合、成形ラインがストップして量産中止となる場合もございます。

本記事では、金型のかじりとは何か、発生する原因や種類、具体的な対策・修理方法まで、現場担当者や設計者の方にも役立つ情報をわかりやすく解説いたします!

金型のかじりとは?かじりの原因・種類・対策・修理方法をわかりやすく解説!

金型のかじりとは?

金型の「かじり」とは、金型部品同士、あるいは金型と被加工材が摺動する際に、摩擦や高圧によって表面が摩耗したり、金属同士が局所的に凝着したりする現象を指します。一般的に、滑りの方向に生じた比較的浅い傷は「擦り傷」と呼ばれますが、擦り傷が著しく進行し、金型表面に明確な損傷をもたらすほどになったものを「かじり」と呼ぶことが多いです。

プラスチック射出成形金型においては、スライドコアやエジェクタピン、エジェクタスリーブとセンターピンなど、繰り返し摺動する部位でかじりが生じることが多くなります。

金型のかじりが与える影響

金型にかじりが発生すると、成形品にバリや表面荒れが生じ、不良品の発生率が急激に高まります。また、その後も続けて金型を使用し続けていると、突然金型が動かなくなったり、最悪のケースだとライン停止による量産中断にもつながります。
このような事態は、修理コストの増大だけでなく、納期遅延や顧客信頼の損失にも繋がるため、注意が必要です。

金型のかじりが発生する主な原因

摩擦・熱の蓄積による影響

金型のかじりを引き起こす要因として、最も基本的なものが「摩擦」と「熱」です。金型部品が繰り返し摺動することで、接触面には継続的な摩擦が生じます。この摩擦によって発生した熱が接触面に蓄積されると、金属表面が軟化しやすくなり、相手材との凝着が起こりやすくなります。

特に連続生産の現場では、ショット数が増えるにつれて金型全体の温度が上昇し、通常では問題のない摺動条件であっても、熱の蓄積によってかじりのリスクが高まることがあります。また、高速加工や連続加工を行う場合は、単位時間あたりの発熱量が増加するため、より短時間でかじりが発生しやすくなります。

金型表面の磨耗・表面荒れ

金型を繰り返し使用していると、摺動面は少しずつ磨耗していきます。磨耗が進行すると表面が荒れ、微細な凹凸が形成されます。この凹凸が相手材の表面に引っかかることで、かじりの起点となる傷やスクラッチが生じやすくなります。

特に問題となるのは、磨耗によって金型表面の硬化層が削られてしまうケースです。硬化層が失われると、素地の軟らかい金属が露出し、相手材との凝着が急速に進行します。また、磨耗によって発生した金属粉や削りくずが摺動面に残留すると、それ自体が硬い異物として作用し、さらなる表面損傷を引き起こす悪循環に陥ることもあります。

潤滑不足・潤滑剤の劣化

潤滑剤は、金型部品の摺動面に油膜を形成し、金属同士の直接接触を防ぐ重要な役割を担っています。潤滑が不足している状態や、潤滑剤が劣化して本来の性能を発揮できない状態では、摩擦抵抗が増大し、かじりが発生しやすくなります。

潤滑不足が生じる原因としては、給油頻度の不足、潤滑剤の塗布量や塗布範囲のムラ、使用環境に合わない潤滑剤の選定などが挙げられます。

クリアランス不適切・成形条件のミスマッチ

金型部品間のクリアランスが適切でない場合も、かじりの大きな原因となります。クリアランスが小さすぎると、摺動時に部品同士が強く干渉し、摩擦が増大してかじりが発生しやすくなります。

また、成形条件のミスマッチもかじりを誘発する要因のひとつです。射出速度や射出圧力が高すぎる場合、金型内部に過大な力が発生し、摺動部への負荷が想定以上に増大することがあります。同様に、型締め力の過不足や抜き勾配の不足なども、かじりの遠因となり得ます。

金型のかじりの種類

金型のかじりは、発生するメカニズムによって大きく5つの種類に分類されます。それぞれ原因や発生しやすい条件が異なるため、適切な対策を講じるうえでは、どの種類のかじりが発生しているかを正確に把握することが重要です。以下に、各種類の特徴と発生メカニズムを詳しく解説します。

金型のかじりの種類

①アブレシブ摩耗(ひっかき摩耗)

アブレシブ摩耗とは、摺動面において硬い物体や異物が相手材の表面を引っかくように削り取る摩耗現象です。「ひっかき摩耗」や「切削摩耗」、「スクラッチング」とも呼ばれます。

②凝着摩耗(焼き付き)

凝着摩耗は、金型のかじりの中でも最も基本的かつ深刻な形態のひとつとされており、「焼き付き」とも呼ばれます。摺動する金属表面同士が高温・高圧によって局所的に凝着し、その後の運動によって凝着部分が引き剥がされることで摩耗が進行する現象です。

③疲労摩耗

疲労摩耗は、繰り返される接触や荷重の変動によって金属材料が疲労し、微細な割れや剥離が生じることで進行する摩耗形態です。「ピッチング」「フレーキング」「ピーリング」などとも呼ばれ、摩擦面にうろこ状の剥離や小さな穴が現れることが特徴です。

④フレッチング摩耗

フレッチング摩耗とは、接触している金属面同士が、極めて小さな振幅で繰り返し擦れ合うことで発生する摩耗現象です。「微動摩耗」や「微摺動摩耗」とも呼ばれ、一見すると固定されているように見える部位でも発生することが特徴です。

⑤腐食摩耗

腐食摩耗とは、金属表面が化学的な腐食と機械的な摩耗を同時に受けることで進行する複合的な摩耗形態です。単純な機械的摩耗とは異なり、化学反応が摩耗を加速させる点が大きな特徴です。

金型のかじりの対策をご紹介!

かじりが発生してしまっている場合は、かじり部分を溶接するのが一般的な修理方法です。溶接後に機械加工や手作業で肉盛り部分をカットすることで、かじり部分を修復します。

また、金型のかじりを防止するには、定期的なメンテナンスを実施することが重要です。金型の清掃や潤滑、部品の交換などを定期的に行うことで、かじりの進行を予防することができます。金型のかじりでお困りの方はプラスチック金型メンテセンターにご相談ください。
スライドコアやストリッパープレートのかじりでお困りの方は、スライドコア摺動部のかじりや、ストリッパープレートのかじりをご覧ください。


金型のかじり修理事例

❶収納ケース引出し用射出成型金型におけるスライドかじり修理

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こちらは、収納ケース引出し用射出成型金型におけるカジリ修理事例です。お客様からのご依頼で、スライドコア摺動面のカジリ修理依頼をプラスチック金型メンテセンター.comにご依頼をいただきました。

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❷医療機器用射出成型金型 スライドコア摺動面かじり

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こちらは、医療機関で使用する射出成型金型における、スライドコア摺動面のかじり修理事例です。医療機器を生産中に、金型のスライドコア摺動部がかじってしまったため、弊社に修理依頼をいただきました。

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金型のかじり修理を動画でご紹介!


金型のかじり修理は三愛テクノロジーへお任せください!

当社では射出成形金型の設計・製作で培ったノウハウを活かして、
射出成形金型の修理・改造、メンテナンスも事業として展開しています。

❶3Dスキャンを活用した図面レス金型の「リバースエンジニアリング」

図面がない古い金型や、海外製の移管金型であっても問題ありません。当社では、高精度な接触・非接触の3次元測定器を用いて、現物の金型や部品を3Dスキャンし、CADデータとして復元するリバースエンジニアリング技術を有しています。このデータをもとに摩耗や損傷箇所を正確に特定し、図面のない状態からでも確実な修理や改造が可能です。

❷レーザー溶接機などを駆使した「高精度な肉盛補修・形状復元」

成形不良の原因となるバリやカジリ、水漏れなどのトラブルに対して、微細な補修から形状復元まで対応します。自社内にYAGレーザー溶接機(YW-150)や超高精度肉盛TIG溶接機などの設備を完備しており、金型への熱影響を最小限に抑えた高品質な溶接が可能です。部品単位の修理はもちろん、水管の詰まりを除去する洗浄(ウォーターリーマー使用)やオーバーホールにより、成形不良を根本から改善します。

❸「緊急出張対応」と修理から修理後トライ、メンテナンスまで一貫対応

生産ラインをどうしても止められない緊急時には、技術者がお客様の現場へ赴き、その場で清掃や調整を行う「出張修理」にも対応が可能です。緊急での金型修理を依頼いただいた場合はもちろん、技術相談・お見積りなども最短即日対応が可能で、レスポンスの速さも当社の強みです。修理した金型が本当に直っているか、お客様の不安を払拭するため、納品前には当社の国内自社工場にて徹底したテストショットと最終調整を実施します。これにより、お客様の現場での立ち上げをスムーズにし、手戻りを防ぎます。

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まとめ

この記事で理解できる7つのポイント

かじりとは?
金型部品同士や被加工材との摺動で摩擦・高圧により金属表面が損傷する現象。スライドコアやエジェクタピンなど繰り返し動く部位に多発する。

かじりを放置すると生産ライン停止のリスク
バリ・表面荒れなどの不良品発生にとどまらず、金型が突然動かなくなり量産中断・納期遅延・顧客信頼損失につながる。

原因は摩擦・磨耗・潤滑・クリアランス
熱の蓄積・表面の硬化層消失・潤滑剤劣化・クリアランス不適切・成形条件のミスマッチが複合的に絡み合って起きる。

☑ かじりの5分類
アブレシブ(ひっかき)・凝着(焼き付き)・疲労・フレッチング(微動)・腐食の5種。種類の特定が適切な対策の第一歩。

対策は定期メンテナンスと溶接補修が基本
清掃・潤滑・部品交換の定期メンテで予防し、発生後はかじり部を肉盛り溶接して機械加工・手仕上げで形状を復元する。

図面なしでも3Dスキャンで修理できる
三愛テクノロジーでは高精度3次元測定器によるリバースエンジニアリングで、古い金型や図面のない海外製金型でも損傷箇所を正確に特定して修理が可能。

緊急時は出張対応・最短即日見積もりで一貫サポート
ラインが止められない緊急時には技術者が現場へ出張対応。修理後はテストショットと最終調整を実施し、納品後の手戻りを防ぐ。技術相談・見積もりは最短即日対応。

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